洋画(日本人)の作品一覧油彩 版画の販売
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洋画 (日本人作家)
日本に西洋美術が本格的に紹介され始めたのは、19世紀半ばの江戸時代末期から明治時代初期にかけての時期です。
この頃、日本は長い鎖国政策を終え、海外との交流が再開されました。
その結果、西洋の科学技術とともに美術の技法や思想も日本に伝わり、日本の美術界に大きな変革をもたらしました。
以下、日本における西洋美術の導入から発展までの流れをご紹介します。
1. 蘭画
(江戸時代後期)
鎖国時代の日本でも、長崎を通じてオランダから学問や技術が一部伝えられていた。特に、オランダ経由で伝わった西洋の写実的な表現技法に基づく「蘭画(らんが)」と呼ばれる絵画が、江戸後期に人気を集めた。蘭画は遠近法や明暗法など、従来の日本画にはない写実的な表現を取り入れたもの。司馬江漢や亜欧堂田善といった画家たちが蘭画を描き、日本に写実的な表現を導入する役割を果たしたが、当時はまだ限られた範囲であった。
2. 明治時代の「洋画」導入
(19世紀後半)
明治維新によって日本が近代化を目指すと、西洋の美術教育が積極的に導入されるようになる。政府は、近代国家を構築するために西洋文化を学び、発展させる必要があると考え、1876年には日本初の本格的な西洋美術教育機関である”工部美術学校”を開設。この学校にはイタリア人画家のフォンタネージが招かれ、油絵の技法や遠近法、写実的な描写を日本人学生に教えた。ここで学んだ日本人画家たちは、西洋の写実的な技法を習得し、後に日本の洋画界を牽引することになる。
また当時の日本政府は、西洋美術が持つ写実性や構図の知識を活用し、新たな日本画の技術向上を図るため、西洋の美術教育に対する支援を行っていた。この頃に西洋絵画を学び始めた日本の画家たちは、従来の日本画と異なる”洋画”として、自らの作品を制作した。
3. 外光派と白馬会
(19世紀末〜20世紀初頭)
明治末期になると、西洋美術の技法がさらに普及し、洋画の発展に寄与した。特にフランス印象派の影響を受けた外光派と呼ばれる画家たちは、光や色彩を捉える新しい表現方法に関心を示し、自然の光を重視するスタイルを追求する。黒田清輝や久米桂一郎といった画家たちは、フランスで学んだ印象派の技法を取り入れ、日本で”白馬会”を結成し、洋画の新しい流派として活動。
白馬会は、日本の美術界で写実的かつ明るい色彩表現を広め、洋画の発展に大きな影響を与えた。また、この時期に洋画が広く受け入れられるようになり、日本の美術界において西洋の技法が定着することとなった。
4. 大正・昭和初期のモダニズム運動
(1920年代〜1930年代)
大正時代から昭和初期にかけて、ヨーロッパで生まれたキュビスムやフォーヴィスム、シュルレアリスムといった前衛的な美術運動が日本にも伝わり、日本の洋画界はさらなる革新の時代へ突入する。特に、村山知義や岡本太郎といった画家たちは、西洋のモダニズムの影響を受け、日本独自の抽象表現や前衛的な作品を手掛けた。
また、二科会や新制作派といった美術団体が結成され、個々の画家が自分の個性や新しい視点を表現する自由が広がり、洋画が多様な表現の場として成長する。こうして西洋の影響を受けながらも、日本独自の感覚を取り入れた新しい洋画が確立され、日本の美術界におけるモダニズムが盛り上がっていった。
5. 戦後日本の洋画と国際化
(1950年代〜1970年代)
第二次世界大戦後、日本は再び国際社会に復帰し、美術界も活発な交流が行われた。戦後の混乱の中で、戦争の記憶や人間の存在についての問いかけをテーマにした作品が多く制作され、具象と抽象が混在する独自のスタイルが生まれる。また、ニューヨークで抽象表現主義が台頭すると、その影響を受けて日本でも抽象絵画が注目を集め、前衛的な表現が追求されるようになった。
この時期、洋画においても日本の伝統的な美意識や素材が取り入れられることが多くなり、日本独自のモダニズムが形成された。また1950年代には日本の画家たちがヴェネツィア・ビエンナーレやサンパウロ・ビエンナーレといった国際的な展覧会に参加し、日本の洋画が世界に評価される機会が急増した。
6. 現代の日本洋画と多様な展開
(1980年代〜現在)
1980年代以降、日本の洋画はさらに多様化し国際的な影響と日本独自の視点が融合した作品が制作されるようになった。デジタル技術の進化に伴い、コンピュータを使用したデジタルアートや新しいメディアを用いた表現も増え、現代アートの一環として新しい可能性が探求されている。また、ポップアートの影響を受けた村上隆や奈良美智といった現代アーティストたちは、伝統的な洋画とポップカルチャーの要素を掛け合わせ、日本発の新しいアートスタイルを確立し、国際的な評価を得ています。
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